2026/09/28
経理の「月末地獄」を抜け出すスケジュール設計法
コラム

毎月月末になると、経理担当者の業務量が一気に膨れ上がり、残業が続いてしまうという企業は少なくありません。
請求書の発行や入金確認、経費精算の締め処理などが同じタイミングに集中し、「月末になると急に余裕がなくなる」と感じている方も多いのではないでしょうか。
税理士事務所の立場から多くの企業様の経理体制を拝見していると、この「月末地獄」とも呼べる状態は、業務量そのものよりも、スケジュールの組み方に原因があるケースが多いと感じます。
今回は、月末の業務集中を緩和し、無理のないスケジュールを設計するための考え方を整理します。
経理業務の多くは、「月末締め・翌月〇日払い」といった商習慣に合わせて設計されているため、どうしても月末から月初にかけて処理が集中しやすい構造になっています。
さらに、取引先からの請求書の到着が月末近くに偏っていたり、経費精算の提出が締切ギリギリに集中したりすることで、外部要因によって業務量が一段と膨らんでしまいます。
また、日々の記帳や確認作業を後回しにしてしまうと、結局は月末にまとめて処理する形になり、業務が集中する悪循環を生んでしまいます。
スケジュールの組み方を見直すことで、業務量そのものを大きく変えなくても、負担感を和らげることは可能です。
① 「締め日」を分散させる
経費精算や請求書提出の締切を、全社一律にするのではなく部署やチームごとに数日ずらすことで、特定の日に処理が集中するのを防ぐことができます。
② 前倒しできる作業は日次・週次に分解する
記帳や証憑整理といった作業を月末にまとめて行うのではなく、毎日・毎週のルーティンとして組み込むことで、月末に残る作業量そのものを減らすことができます。
③ 「確認だけの日」をあらかじめ確保する
月末ギリギリに確認作業を詰め込むのではなく、余裕を持ったタイミングで「チェックのための時間」をあらかじめスケジュールに組み込んでおくことが重要です。
一度組んだスケジュールも、繁忙期やイレギュラーな月が続くと、次第に機能しなくなることがあります。
そのため、税理士事務所と月次のスケジュールを定期的に共有し、「どこがボトルネックになっているか」を一緒に洗い出していくことも有効です。
月末の業務集中、いわゆる「月末地獄」は、業務量そのものよりも、スケジュールの組み方に原因があることが少なくありません。
締め日を分散させる、業務を日次・週次に分解する、確認のための余白の時間を確保するといった工夫を重ねることで、無理のない運用に近づけることができます。
まずは自社の月次スケジュールを一度書き出し、「どこに負担が集中しているか」を可視化してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
これだけは知っておいてほしい!
バックオフィス業務の改善に役立つ
ノウハウ・テクニック情報集結! ・・・・・
日々、多くの会社様より経理・労務を中心としたバックオフィス業務のご相談をいただいております。
こうした経験をもとに、バックオフィス業務の改善に役立てていける
ような情報を発信してまいります!

