2026/04/27
新入社員にも分かる!経理の仕事を伝える社内研修コ…
コラム

新入社員向けに経理業務をどのように伝えるかは、多くの企業で悩みやすいテーマの一つです。
経理は専門用語や独自のルールが多く、現場では「まずやってみて覚える」という形になりがちですが、その結果として理解が曖昧なまま業務が進んでしまうケースも見受けられます。
税理士事務所の立場から企業の経理体制を拝見していると、社内研修の内容が整理されている会社ほど、業務の引き継ぎや定着がスムーズに進んでいる印象があります。
新入社員にも分かりやすく経理の仕事を伝えるための社内研修コンテンツの作り方について、実務の視点から整理します。
経理業務は「なぜその処理を行うのか」という背景が見えにくいまま、手順だけが伝えられてしまうことがあります。
その結果、
・用語の意味が理解できていない
・イレギュラー対応ができない
・ミスの原因が分からない
といった状況につながる場合があります。
また、教える側も日常業務に追われているため、体系立てて説明する時間が取れず、属人的な教育になってしまうことも少なくありません。
すべての業務をAIに任せることは現実的ではありませんが、比較的取り入れやすい領域もあります。
① 業務の全体像から伝える
いきなり仕訳や入力方法を説明するのではなく、まずは経理業務の流れ全体を示すことが重要です。
「取引が発生してから決算に至るまで、どのように数字がつながっていくのか」を理解することで、個々の作業の意味が見えやすくなります。
全体像が整理されているだけでも、理解度に差が出ることがあります。
② 専門用語はかみ砕いて説明する
経理には日常的に使わない用語が多くあります。
用語をそのまま説明するのではなく、具体例を交えながら説明することで、理解しやすくなる可能性があります。
例えば、「売掛金」や「未払金」なども、実際の取引イメージと結びつけて説明することが有効です。
③ マニュアルを“見て分かる形”にする
文章だけのマニュアルは理解に時間がかかることがあります。
画面キャプチャやフロー図を活用し、「どの画面で何をするのか」が一目で分かる形にすることで、実務への落とし込みがしやすくなります。
後から見返すことを前提に作成することも重要です。
④ よくあるミスとその原因を共有する
単に正しい手順を説明するだけでなく、実際に起こりやすいミスやその原因をあわせて伝えることで、理解が深まります。
「なぜ間違いやすいのか」を共有することで、注意すべきポイントが明確になります。
これは教育効率の向上にもつながる要素です。
⑤ 段階的に学べる構成にする
最初からすべてを理解することは難しいため、業務レベルに応じて内容を分けることが現実的です。
例えば、
・基礎(用語・全体像)
・実務(入力・処理)
・応用(イレギュラー対応)
といった段階に分けることで、無理なく習得しやすくなります。
経理業務は法改正やシステム変更の影響を受けやすいため、一度作った研修資料がそのまま使い続けられるとは限りません。
そのため、最初から「定期的に見直す前提」で作成しておくことが重要です。
更新しやすい形式にしておくことで、運用負担を抑えながら継続的に改善できる体制を整えやすくなります。
経理の社内研修は、単に業務手順を伝えるだけでなく、「なぜその処理が必要なのか」を理解してもらうことが重要です。
全体像の整理や用語のかみ砕き、マニュアルの見える化などを意識することで、新入社員の理解度を高めることができる可能性があります。
また、研修コンテンツは一度作って終わりではなく、運用しながら改善していくことが現実的です。
経理業務の定着度を高めるためにも、自社に合った研修のあり方を一度見直してみてはいかがでしょうか。

K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
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