2026/03/02
新任経理担当者が1ヶ月で仕事を覚えるためのサポー…
コラム

新しく経理担当者を迎えたものの、「なかなか仕事を覚えられない」「何をどこまで任せてよいのか分からない」と感じた経験はないでしょうか。
特に中小企業や成長段階の会社では、経理業務が属人化していることも多く、新任担当者の立ち上がりに時間がかかるケースが見受けられます。
税理士事務所として企業を支援していると、新任経理担当者が最初の1ヶ月をどう過ごすかが、その後の定着や業務の安定に大きく影響していると感じることがあります。
新任経理担当者が1ヶ月で業務を理解しやすくなるために、会社として検討したいサポート体制の考え方をご紹介します。
目次
新任の経理担当者は、経理知識がある場合でも、実務で戸惑うことが少なくありません。
よくあるつまずきとして、次のような点が挙げられます。
・会社独自のルールや処理方法が分からない
・どこまで自分の判断で進めてよいのか迷ってしまう
・過去の処理内容を確認する方法が分からない
これらは、本人の能力不足というよりも、情報や前提条件が十分に共有されていないことが原因となっているケースが多いように見受けられます。
そのため、個人任せにするのではなく、会社としてのサポート体制が重要になります。
新任経理担当者に対して、「早く一人前になってほしい」と期待するのは自然なことです。
ただし、最初から完璧を求めてしまうと、本人の不安が大きくなり、かえって業務が進みにくくなる場合もあります。
1ヶ月という期間は、すべてを理解する時間というよりも、経理業務の全体像をつかむための期間と考えると、サポートの方向性が見えやすくなります。
まずは、「何を」「いつ」「どのように」行うのかを理解してもらうことが大切です。
ここからは、実務上取り入れやすいサポート体制のポイントをご紹介します。
① 経理業務の全体像を最初に共有する
日々の入力作業だけでなく、月次・年次の流れを最初に説明しておくことで、業務の位置づけが理解しやすくなります。
「この作業は何のために行っているのか」が分かると、仕事を覚えるスピードが上がるケースがあります。
② 判断が必要なポイントをあらかじめ伝えておく
経理業務では、金額の判断や処理方法に迷う場面が出てきます。
「ここは自分で判断してよい」「ここは必ず確認する」といった線引きを示しておくことで、不安を減らすことが期待できます。
③ 過去データや資料にアクセスしやすくする
過去の仕訳や申告書、月次資料を確認できる環境が整っていると、自己解決しやすくなります。
紙・データを問わず、どこに何があるかを整理しておくことがポイントです。
④ 定期的に確認の場を設ける
新任担当者は、分からないことがあっても遠慮して聞けない場合があります。
週に一度など、定期的に進捗や疑問点を確認する時間を設けることで、問題が大きくなる前に対応しやすくなります。
⑤ 外部専門家のサポートを活用する
社内だけでのフォローが難しい場合には、税理士事務所など外部専門家のサポートを取り入れることも選択肢の一つです。
第三者が関与することで、新任担当者が質問しやすくなるケースもあります。
新任経理担当者へのサポート体制は、その人のためだけのものではありません。
業務の流れや判断基準を整理する過程で、経理業務の見える化が進み、属人化の解消につながることもあります。
また、誰かが急に休んだり退職したりした場合でも、対応しやすい体制が整う可能性があります。
結果として、会社全体の経理業務が安定し、経営者が数字を把握しやすくなることも期待できます。
新任経理担当者が1ヶ月で仕事を覚えるためには、本人の努力だけでなく、会社としてのサポート体制が重要になります。
最初の段階で経理業務の全体像や判断基準を共有し、質問しやすい環境を整えることで、立ち上がりがスムーズになる可能性があります。
完璧な体制を最初から作る必要はありませんが、できるところから少しずつ整えていくことが現実的です。
新任経理担当者の不安を減らし、安心して業務に取り組める環境を用意することが、結果的に会社全体の経理力向上につながると考えられます。
経理担当者の入れ替わりや増員を予定している場合は、この機会にサポート体制について一度見直してみてはいかがでしょうか。

K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
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