2026/02/16
経理担当者が突然辞めた!トラブル事例から学ぶ失敗…
コラム

「経理担当者が急に退職してしまった」
これは、実際に多くの企業で起こり得る出来事です。体調不良や家庭の事情、転職など理由はさまざまですが、引き継ぎの時間が十分に取れないまま退職となるケースも少なくありません。
税理士事務所として企業をサポートしていると、経理担当者の突然の退職をきっかけに、さまざまなトラブルが表面化するケースを目にすることがあります。
実際によく見られるトラブル事例を踏まえながら、失敗しにくい対応の考え方について整理します。
経理担当者の退職そのものよりも、その後に起こる問題のほうが大きくなる場合があります。
代表的なものとして、次のようなケースが考えられます。
・どこまで処理が終わっているのか分からない
・会計ソフトの使い方が分かる人がいない
・請求書や領収書の保管場所が不明確
・税務申告や納付のスケジュールが把握できていない
これらは、日頃から経理業務が特定の担当者に依存していた場合に起こりやすい傾向があります。
特に中小企業では「経理は一人で回している」というケースも多く、退職時の影響が大きくなりがちです。
経理担当者が辞めたあとに問題が大きくなる背景には、いくつかの共通点があります。
まず一つは、業務内容が見える化されていないことです。
日常的に問題なく回っていると、業務手順を書き残す機会が少なくなりがちですが、その状態で担当者が不在になると、何から手を付ければよいか分からなくなります。
また、経理業務を「専門的で触りにくいもの」と捉えてしまい、他の社員が関与していない場合もあります。
その結果、経理の状況を経営者自身が十分に把握できていないことも少なくありません。
経理担当者が突然辞めた場合、完璧な対応を目指すのは難しいかもしれません。
しかし、次のような考え方を持つことで、混乱を抑えられる可能性があります。
① 現状の把握を最優先にする
まずは、どこまで経理処理が進んでいるのかを確認することが重要です。
会計ソフトの入力状況、未処理の請求書や領収書、直近の納付予定などを整理するだけでも、今後の対応が見えやすくなります。
② 無理に社内だけで抱え込まない
経理業務に詳しい人が社内にいない場合、無理に対応しようとするとミスや遅延が起こりやすくなります。
一時的に税理士事務所や外部サービスに相談することで、状況が落ち着くケースもあります。
③ 今後に向けて業務の整理を進める
今回の退職をきっかけに、経理業務の流れを整理してみることも一つの選択肢です。
すぐにすべてを整える必要はありませんが、業務内容を書き出すだけでも、次の担当者への引き継ぎがしやすくなります。
経理担当者が突然辞めた場合、「あの人がいなくなったから回らない」という意識になりがちです。
しかし、長い目で見ると、特定の人に依存しない経理体制を作っていくことが重要だと考えられます。
例えば、
・経理業務の手順を簡単にまとめておく
・会計ソフトの操作方法を共有できる状態にする
・外部専門家と日頃から連携しておく
といった取り組みは、将来のリスクを下げることにつながる可能性があります。
経理担当者の突然の退職は、どの会社でも起こり得る出来事です。
その際にトラブルが大きくなるかどうかは、日頃の経理体制や業務の見える化の状況に左右されることが多いように感じます。
万が一のときは、現状を整理し、無理をせず外部の力も活用しながら対応することが大切です。
また、今回の経験をきっかけに、経理業務を「人任せ」にしない仕組みづくりを検討してみることも、将来的な安心につながります。
経理は普段あまり意識されにくい業務ですが、会社を支える重要な基盤です。
トラブルが起きてから慌てるのではなく、備えとしての経理体制づくりを進めていくことが望ましいといえるでしょう。

K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
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