2026/08/24
経理と経営企画が連携すれば業績は上がる!実践ポイ…
コラム

多くの企業において、過去の数字を正確に記録する「経理」と、未来の戦略を立てる「経営企画(または経営者自身)」は、それぞれ独立して動きがちです。
しかし、これら2つの部門が分断されていると、「せっかく集めた数字が戦略に活かされない」「現場の実態を反映していない計画が作られる」といったズレが生じやすくなります。
税理士事務所の立場から企業の成長を拝見していると、この「過去の数字(経理)」と「未来の予測(経営企画)」がスムーズに連動している会社ほど、経営判断のスピードが速く、結果として業績を伸ばしている印象があります。
経理と経営企画が連携し、企業の業績アップにつなげるための実践ポイントを3つに絞って整理します
経理の役割が「決算書を作るためのデータ集計」だけで終わってしまうのは非常にもったいないことです。
経理が持つ正確な実績データは、経営企画が精度の高い未来予想図を描くための土台となります。お互いの視点を掛け合わせることで、ただの数字が「経営の武器」へと変わります。
具体的にどのように連携を進めるべきか、実務の視点から整理します。
① 業績管理の「共通言語」を合わせる
経理が管理している「勘定科目」と、経営企画が管理したい「事業部ごと・商品ごとの採算」の軸がズレていると、データの加工に余計な時間がかかってしまいます。
まずは、「どのような単位で数字を把握できれば、次の戦略が打ちやすいか」を両者で話し合い、会計ソフトの部門設定やタグ機能を活用して、日々の入力段階からデータを整理しておくことが重要です。
② 月次決算の早期化とスピード共有
どんなに精緻なデータであっても、提出が2ヶ月後になってしまっては経営戦略の打ち手として手遅れになります。
経理側は「1日でも早く実績を確定させるフロー」を構築し、経営企画側は「その数字をもとに即座に予算とのギャップを分析する」というサイクルを作ります。このスピード感の共有こそが、業績を上げるために必要になります。
③ 「数字の背景にある理由」を一緒に言語化する
「今月は広告費が予算より100万円オーバーした」という事実(経理データ)に対し、「それは来期の新規顧客獲得に向けた先行投資であり、来月以降の売上にどう繋がるか」(経営企画の視点)という背景をセットで経営陣に報告できる体制を作ります。
単なる数字の増減だけでなく、その裏にある状況を両者で共有・言語化することで、次に打つべき具体的なアクションが明確になります。
自社内に独立した経営企画の部署がない中小企業の場合、経営者自身が経営企画の役割を担うことがほとんどです。
その場合は、自社の経理担当者と私たち税理士事務所が連携し、「経営者が未来の戦略を練るための材料(試算表や未来のキャッシュフロー予測)」を分かりやすくパッケージして提供する体制を整えることが、事実上の「経理×経営企画」の連携実現へと繋がります。
経理と経営企画の連携は、組織の壁を取り払い、「数字を経営の羅針盤にする」ための取り組みです。
過去を振り返る経理の正確性と、未来を見据える経営企画の推進力が1つになることで、企業は確かなデータに基づいた「攻めの経営」ができるようになります。
まずは、次回の月次ミーティングで「お互いが今、どんな数字を求めているか」を1つ確認し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。

K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
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