2024/10/21
会計ソフトの移行を外部に任せるメリット・デメリッ…
コラム
「試算表がもっと早く出てきてほしい」と考えている経営者は少なくないでしょう。しかし、本来業務に忙殺される個人事業主や中小企業の場合は、試算表を早く仕上げられないことも多いものです。
事業を成功させるためには、毎月の数字を把握して次の行動に役立てる必要があります。また、銀行から最新の試算表の提出を求められることもあるでしょう。そこで利用を検討してみたいのが経理代行です。ここでは経理代行により試算表が早く作成できるメリット・デメリットを解説します。
試算表が早く出来あがると、経営判断を素早くすることができます。これが経理代行を利用するメリットの一つといってもいいでしょう。経理代行を依頼できる代行業者の代表例は、会計事務所や税理士事務所、税理士法人があげられます。
これらは会計のプロフェッショナルであり、極めて品質の高い正確なサービスを、いち早く提供してくれます。自社で完全な自計化をしている企業には遅れますが、一般的な経理事務などの手間が省けるため、表題通り10日程度試算表のチェックが早くなる企業は少なからずあります。
もちろん専門家に事務を委託するわけですからコストはかかります。しかし、自社で新卒から経理事務員を育成したり、中途採用で即戦力の経理に精通した経理事務員を置くよりも、コストパフォーマンスが高いことは事実です。自社で経理を行うデメリットは以下で述べます。
経理代行と同じ作業を、個人事業主本人や中小企業の経理部で行うことにすると、経理担当者を置く必要があります。経理担当者には給料や社会保険料などの人件費がかかります。
優秀な人材を確保しようとすればするほど福利厚生も充実させ、経理実務も習得させる必要があるなど、「見えないコスト」がかかります。その上で試算表が出来上がるスピードが速くなるまでには時間もかかります。要するにお金と時間が必要なのです。
その点、経理代行を利用すれば経理担当者育成のための費用も、社員が成長していくまでの時間も最小限にして事業を継続していくことができます。
経理代行が自社での経理よりも優れていると言い切れるかといえば、それは「場合によって」という制限がついてしまうことは事実です。なぜなら以下のような注意点があるからです。
(1)会社に会計のノウハウが蓄積できない
(2)機密情報流出の危険
(3)経理代行のコストと品質
会社の経理は、その会社によって一社一社異なります。経理代行を利用することによって、社内の経理担当者にノウハウを共有することができず、経理担当者の育成が難しくなります。
また、会社の内部文書(契約書や請求書など)が経理のためとはいえ出ていくわけですから、情報流出の可能性が全くゼロとは言い切れません。
そして一番懸念されるのが、経理代行の委託先の仕事のレベルです。税理士や公認会計士が運営している会計事務所などなら安心して任せられますね。しかし、経理代行のみを専門としている会社は士業事務所に比べて低コストですが、派遣社員などが業務にあたり、品質が一定でない場合があります。
しかし裏を返せば、上記の(1)~(3)までの条件をクリアできる経理代行会社と契約できれば、コストを削減しつつ高品質の経理サービスを、素早いレスポンスで受けられるということが分かります。
経理代行は委託する内容をよく考え、代行会社の担当者とキチンと折衝して利用することでコストと時間を削減しながら経理事務のスピード化を図れるお勧めのサービスであるといえます。とくに、人手の足りない個人事業主や中小企業の代表者が、「社長の仕事」に専念するために一考の価値のあるサービスといえます。
弊社では今回ご説明した「経理代行」サービスをご提供しておりますので、まずはお気軽に弊社までご相談下さい。
平野 樹里
クラウドツール導入支援、労務サポート
一般企業で人事・経理システムの開発等に従事した後、2010年に香川会計事務所(現:K&P税理士法人)に入社。K&Pグループの給与計算、請求書発行、システム設定などの総務業務全般を担当しながら、クラウドツールの導入を推進し、グループ内の業務効率改善に大きく貢献。特に、マネーフォワードのクラウドシリーズ(請求書、経費、給与、勤怠)の導入支援を得意としている。
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