2026/01/19
経理業務の遅延が会社に与える“見えない損失”とは
コラム
経理担当者の退職が続き、採用と教育の繰り返しに疲弊していませんか?
経理部門は会社の「要」であり、その安定は経営の安定に直結します。
しかし、多くの企業で経理担当者の定着に課題を抱えているのが現状です。
本記事では、経理が定着しない会社の特徴から、退職を防ぎ定着率を高めるための
具体的な施策までを網羅的に解説します。
せっかく採用した経理担当者がすぐに辞めてしまう会社には、実は共通する特徴があります。
なぜ自社では経理が定着しないのか、その背景にある問題を正しく理解することが解決への第一歩です。
まずは現状をしっかりと把握し、退職が繰り返される根本的な原因を特定することから始めましょう。

経理担当者を雇っても、長続きせず辞めてしまい、
また新たに雇うといったことをされている会社も少なくないと思います。
経理だけでなく、たいていの人は入社するとなったら
「せっかく入った会社なのだから、できるだけ長く働いていきたい」と考えるはずです。
新しい職場における社内ルールや業務内容を必死で習得し、そして人間関係を構築していく。
それになにより、前の職場で築き上げてきたキャリアや信頼を、
新しい職場ではゼロから築き上げなくてはならないということはとても大変なことです。
にもかかわらず、「現状を捨てでも!」と経理が退職してしまう会社とは、
どのような特徴があるのか3つポイントをご説明します。

最も一般的な理由ですが、「勤務状況が過酷すぎることによる経理退職」はよく耳にします。
AI導入による業務効率化が進み、ワークライフバランスという言葉が一般的になってきている現状であっても、
いまだ「不夜城」といわれる経理の職場は少なくありません。
今の若い世代の人は特に、経済的な欲求よりも自分の時間、
すなわちワークライフバランスを大切にする人が増えています。
「給料をもらえるなら残業も休日出勤も頑張ります!」という時代はもう過去の話です。
そういった感覚でいる限り、いくら良い人材を採用しても経理退職はあとを絶たないでしょう。

経理に従事する人間は職業柄、内向的な性格の人が多いように見えます。
経理担当者はプロジェクト型の業務よりも、黙々と自分の目の前の業務をこなしていくことが多い為、
不特定多数の人間との高いコミュニケーション能力をそれほど求められていません。
むしろ、毎日同じ席に座り、毎日同じ人と顔を突き合わせて仕事をすることから、
限られた特定の人間との密なコミュニケーションが重要になってきます。
その人間関係が良くない状況であった場合、逃げ場はなく、
職場に来るのが嫌になってしまうことも十分あり得ます。
全員と気が合う必要はないのですが、それなりに居心地のよい職場とするためにも、
周囲との人間関係は重要です。
この人間関係が最悪である場合、せっかく入社した経理担当者もすぐに退職してしまうでしょう。

面接時には「残業はほとんどありません」「簡単な入力業務がメインです」と聞いていたのに、
いざ入社してみると「毎日終電まで残業」「高度な専門知識が必要な業務ばかり」
といった現実とのギャップに苦しむケースです。
会社側としては「入社してしまえばこっちのもの」と思っているかもしれませんが、
今の時代、転職は珍しいことではありません。
嘘をついて採用しても、すぐに辞められてしまい、結局は採用コストの無駄になってしまいます。
なぜ、経理担当者の定着がそれほどまでに重要なのでしょうか。
経理担当者が頻繁に入れ替わることは、単なる「人手不足」や「採用コストの増加」といった
表面的な問題にとどまりません。
会社の経営基盤そのものを揺るがしかねない、より深刻なリスクがそこには潜んでいるのです。

経理担当者の突然の休職や退職によって、
経理業務が上手く回らないと悩まれた経験のある経営者は多いのではないでしょうか。
担当者の定着率が悪いと、常に新入社員の教育に手が取られ、
会社の業績へ悪影響を及ぼすことになりかねません。
ここでは、経理担当者を定着させるべき3つの理由について解説します。

経理担当者を定着させるべき理由の1つ目は、コストの削減につながることです。
経理人材に限った話ではありませんが、新たな人材採用にはコストがかかるものであり、
企業によっては数十万円〜100万円以上かけるケースもめずらしくありません。
後任者がひとりで業務を遂行できるようになるまでには時間がかかりますし、
教育側も通常の業務をこなしつつ育成活動を行っていかなければならず、
どうしても手間を取られてしまいます。
経理担当者を定着させることで、時間的・人的コストを抑えることができます。

経理担当者を定着させるべき理由の2つ目は、経理業務の円滑な継続です。
担当者が突然休職や退職をしてしまうと、
いままで行えていた経理業務が滞ってしまう恐れがあります。
経理業務を別の従業員がカバーするにしても、業務負担が増してしまうため、
どうしても対応が遅れてしまうでしょう。
経理担当者が定着することで、経理業務のスムーズな継続が可能となり、
請求書の発行が遅れるなどといった無用なトラブルを回避することができます。

経理担当者を定着させるべき理由の3つ目は、正確な経営状況が把握できることです。
数値を扱う経理の情報は、会社の経営判断を円滑に行うために欠かせません。
経理人材がころころ変わってしまっているような状態では、財務状況を正しく把握できず、
経営判断が遅れるなどして業務上の問題が生じるでしょう。
では、具体的にどのような対策を講じれば、経理担当者の退職を防ぎ、
長く働いてもらうことができるのでしょうか。
精神論ではなく、仕組みや制度として取り組むべき具体的なアクションプランをご紹介します。

経営者や経理部門の責任者にとって、経理退職は大きな問題です。
この記事をご覧の方の中には、「社員一人の退職くらい・・・」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、経理部門は機密業務を多く扱うため、業務がブラックボックス化してしまいがちです。
そのため、経理担当者が引き継ぎもなく、辞めてしまうと経理で行っていた実際の作業がわからず、
慌てて経理実務の本を買ってみても一般的な業務のことしか載っていません。
引継ぎがある場合でも、最短で退職届を出した2週間後に経理担当者は退職してしまい、
すべてを引き継げないまま退職してしまう・・・ということがあります・・・。

まず経理退職を防ぐ努力を会社側がするべきです。
経理部員を採用したらまず最初にすることは、経理社員の教育です。
場合によっては社外研修に出してもいいくらい大切なことなのです。
会社における経理業務の重要性を教え、
「営業職のように数字で成績は分からないけれど、会社にとって大切なことをしてもらっている」と
経理責任者からも声をかけましょう。
そうすればモチベーションも上がり、
引継ぎもそこそこに経理退職という事態にはなりにくいはずです。

経理担当者にとって、自己の成長は営業職の目標設定のように分かりやすいものではないことは
上で述べました。
しかし「自分が会社の中で大切な仕事を任せてもらっているけど、自身の成長が分からない」という悩みは付きまといます。
そのため長期に渡っての目標設定をすることが、経理退職回避の一つの方法です。
経理業務は実に様々です。
請求や支払い、給与計算、会計ソフトへの入力のほか、経営者への説明もしなければなりません。
経営者への説明は経理責任者がするとしても、その他の業務についてはどうでしょうか?
経理責任者としても部下の成長は気になるところ。
それをお互いに共有するために業務フローを明確化し、
証憑綴りができたら伝票起票や会計入力に進む・・・など、あらかじめの目標設定が大切です。
経理担当者も、新しい仕事を任せられ、一つ一つ達成していくことによる達成感を得られれば、
モチベーションも上がります。
自分が確実にキャリアアップしていると感じることができ、早期に退職という事態は防げるでしょう。

ルーチンワークになりがちな経理業務ですが、新しい仕事を任せることでマンネリ化を防ぎ、
成長意欲を刺激することができます。
例えば、月次決算の補助からスタートし、徐々に年次決算、税務申告の補助、資金繰り表の作成など、
より高度な業務へとステップアップさせていくのです。
また、社内でのキャリアアップだけでなく、
簿記検定や税理士試験などの資格取得を支援することも有効です。
資格取得を推奨し、合格時には報奨金を出すなどの制度を整えることで、
学習意欲を高めることができます。
多くの経理担当者が退職を決意する最大の要因の一つに、「業務量の多さ」が挙げられます。
もし、長時間労働や休日出勤が常態化しているようであれば、
それは個人の努力で解決できる問題ではありません。
組織として早急な対策を講じ、負担を軽減する必要があります。

経理業務は、専門的な上に細かな作業が多く、業務量も多くなりがちです。
中小企業の経理部門は、一般的に、大企業のように分業体制も整っていないため、
担当者1人に対する業務負担が多く、過剰な業務になりがちです。
そのため、中小企業の経理部門では、過剰な業務のための退職が多くなる傾向があります。
そこで、経理の人材不足をなんとか改善したいと思っている経営者の方向けに、
過剰な業務で経理が辞めてしまわないようにする3つのポイントをご紹介していきます。

経理業務を適正に業務削減するには、以下の方法を実践しましょう。
① 現状の経理業務の洗い出しをして業務フローを作成する
② 業務の無理・無駄をチェックして、業務の回数削減などを検討し、削減ポイントを抽出する
③ 業務削減後の新たな業務フローを作成・運用する
④ 新たな業務フローが適正に運用されているか、さらなる無理・無駄がないかの定期的な効果検証を実施する
上記のPDCAサイクルを繰り返すことによって、
経理業務の適正な業務削減を実施することが可能となります。
経理業務の適正な業務削減のポイントは、業務の選択と集中を明確にすることです。

クラウド会計ソフトや経費精算システムを活用することにより
経理業務の大幅な効率化・早期化が実現でき、経理担当の負担が減らせます。
手書きやエクセルでの管理から脱却し、自動連携やAIによる自動仕訳などを活用することで、
入力作業の手間を大幅に削減できます。
また、ペーパーレス化を進めることで、書類の整理や保管にかかる時間も短縮できます。

また、経理業務の一部をアウトソーシングすることにより、過剰な経理業務を削減できます。
経理業務のアウトソーシングは、会社の予算とアウトソーシングする業務を選択しながら
実施できることがメリットです。
記帳代行や給与計算などのルーチンワークを外部に委託することで、
社内の経理担当者は、資金繰りや経営分析などのコア業務に集中できるようになり、
仕事の価値とやりがいが向上します。
経理担当者の定着は、会社の安定成長に不可欠です。
退職が続く場合は、職場環境や業務内容に何らかの問題があるサインです。
本記事で紹介した施策を参考に、経理担当者が長く安心して働ける環境づくりに取り組んでみてください。
もし、自社だけでの改善が難しい場合は、
経理代行やアウトソーシングの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
専門家の力を借りることで、業務効率化と体制強化を同時に実現できるかもしれません。
これだけは知っておいてほしい!
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