2026/01/19
経理業務の遅延が会社に与える“見えない損失”とは
コラム
「経理担当者が辞めてしまった」「本業が忙しくて経理まで手が回らない」「コストを削減したい」
こうした課題を解決する手段として、「経理代行」が注目されています。
しかし、いざ利用しようと思っても、
「いくらかかるのか?」「どこまで頼めるのか?」「どうやって業者を選べばいいのか?」
といった疑問や不安が尽きないのではないでしょうか。
本記事では、経理代行サービスの基礎知識から、
具体的な料金相場、依頼できる業務内容、失敗しないための選び方、
そしてメリット・デメリットまで、導入前に知っておくべき全情報を網羅的に解説します。

「経理代行」と一口に言っても、その対応範囲は業者によって異なります。
ここでは、一般的にどのような業務を依頼できるのか、
具体的な5つの主要業務について詳しく見ていきましょう。
経理代行に依頼できる内容は、主に以下の5つです。
依頼できる業務内容について、具体的に見ていきましょう。
記帳業務は、会計ソフトなどを用いて日々の取引を帳簿付けする業務です。
具体的には、伝票や領収書の整理、帳簿管理や仕訳処理などの業務が該当します。
経理代行サービスを活用すれば、領収書・請求書・通帳のコピーなどの必要書類を預けるだけで
仕訳や記帳を行ってくれます。
給与計算は、従業員の毎月の給与額を計算する業務です。
給与計算業務の内容は多岐に渡り、毎月の給与計算のほか、
勤怠管理や労働保険の適用管理など、労務管理の知識も求められます。
経理代行では、煩雑な給与計算業務を一括して正確に行ってくれます。
経理代行には、売掛金・買掛金の管理を依頼することも可能です。
売掛金と買掛金は、どちらも代金の後払いを示しています。
債権・債務に関わる掛取引ですので、厳重な管理が求められます。
決算・申告業務は、決算仕訳の入力や決算書・税務申告書の作成などを行う業務です。
決算書をもとに収めるべき税額を計算し、税務署等に申告書などの書類を提出します。
記帳業務と同じく領収書・請求書・通帳のコピーなどの必要書類を預ければ、
決算・申告に関わる業務を代行してもらえます。
※税務代理の権限がいるため、税理士事務所のみが行うことができる業務です。
年末調整業務を経理代行に依頼することもできます。
年末調整は毎年11月〜12月にかけて行われますので、
忙しくなりがちな年の瀬に手が回らないというケースはめずらしくありません。
このような場合、スポットで年末調整業務を経理代行に委託するのも有効な手段です。

続いて経理代行サービスにはどのくらいの費用がかかるのか、
基本的な相場観と業務範囲について解説します。
記帳業務を経理代行サービスに依頼すると、
領収書や請求書のコピーなどから取引内容の詳細を把握し、
仕訳や会計帳簿の作成を行なってくれます。
記帳代行の料金は1仕訳あたりの従量制を提示している場合が多く、
1仕訳あたり50円〜100円が相場とされています。
100仕訳単位などで月額制を設定しているところもあり、
月額料金が決まっている場合の月額料金相場は以下のとおりです。
経理代行では、従業員の就業状況や当月のタイムカードなどを代行業者に提出することで、
正確な給与計算の代行が可能です。
給与計算代行は従業員一人あたり1,000〜2,000円が相場となります。
代行業者によって基本料金や初期費用が発生したり、オプション料金がかかったりしますが、
単純な給与計算のみを依頼する場合の料金相場は以下のとおりです。
決算書や税務申告書などを作成する業務も経理代行業者に依頼できます。
決算代行の費用相場は50,000円〜200,000円です。
数ある経理代行業者の中から、自社に最適なパートナーを選ぶにはどうすればよいのでしょうか。
業者選びで失敗しないために必ず確認すべき3つのポイントをご紹介します。

自社の経理業務を外部企業に委託して、
アウトソーシングで対応することにはさまざまなメリットがあります。
しかしながら、経理業務を外注できる業者は数多く、
それでいて委託先の選び方によっては外注に失敗してしまうこともあるのです。
そこで今回は、経理代行サービスを利用するにあたって失敗しないための3つのポイントについて
解説します。

経理業務を外注するにあたっては、どういった業務内容に対応してもらうことができるのか、
その中に自社が依頼したい内容が含まれているかを確認しておくことが重要です。
一口に経理業務といってもさまざまな業務内容があり、
たとえば伝票入力などの単純作業や収支の管理、専門的な領域でいえば税務申告や株式公開の支援、
各種法令の変更などに対応するなどの業務が挙げられます。
代行業者は対応できる業務内容の範囲が決まっていますので、
自社が依頼したい業務を代行できる業者であることが必要です。
一般的な経理業務の代行には特別な資格は必要ないのですが、
税務申告の代行など税務関係の業務代行は税理士にしかできませんので注意しましょう。

経理業務の代行を依頼するのであれば、
経理業務を代行した経験が多い業者であることが望ましいです。
実務経験が豊富な担当者が業務を代行してくれるのであれば、
安心して仕事を任せることができるでしょう。
また、先ほども触れている「資格」の問題もありますので、
自社が代行を依頼したい業務内容に応じた資格と経験がある担当者がいるかどうかを
確認しておくと良いでしょう。

自社の業務を代行してもらうことになるのですから、
情報管理がしっかりとしている業者であることは必須の条件です。
企業の経理業務に関連する情報は重要度が高いものが多く、
これを外部企業が扱うことになるわけですから
情報漏洩のリスクについてはきちんと管理しておく必要があります。
「コスト削減のつもりが割高になった」「引継ぎがうまくいかなかった」など、
経理代行には落とし穴も存在します。
ここでは、よくある失敗事例とその対策を知り、リスクを回避する方法を学びましょう。

経理部門のスリム化や人手不足を解消する方法として、
経理業務を外部の業者に代行してもらう方法があります。
メリットのある方法ではありますが、やり方次第では思わぬ失敗をしてしまうリスクもあるのです。
ここでは、経理代行を依頼するうえで起こり得る3つの落とし穴と、その対策について解説します。

経理代行で最も多い失敗事例が、経費削減につながらなかったことです。
「人件費を削減できる」と期待して経理代行を導入したものの、代行を依頼する業者の費用設定や、
代行を依頼する業務の範囲によっては、自社で経理業務をした場合と比較して
割高な費用が発生してしまうケースがあります。
特に、依頼したい業務内容を明確に伝えず、あれこれと多くの依頼をしてしまい、
結果的に割高になってしまったというケースが少なくありません。
また、オプション料金の積み重ねや、想定外の追加費用が発生することもあります。
経理代行を導入する前に、
経理代行業者と密にコミュニケーションを取る機会を設けることが必要です。
まず、現在の経理業務にかかっているコスト(人件費、システム費用、外注費など)を正確に把握し、
経理代行導入後に削減できる費用を明らかにしましょう。
その上で、自社の課題に合わせて柔軟に提案をしてくれる業者を選ぶことが重要です。
見積もりは複数社から取得し、料金体系が明確で、
追加費用の発生条件が明示されている業者を選びましょう。

経理代行を利用することによって、自社の経営状態を把握するのが遅れてしまう可能性があります。
自社の経営状態はできる限りこまめに把握しておくことが望ましく、
これによって経営判断をフレキシブルに行って利益を向上させることが重要です。
しかし、その判断のためのデータを外部の代行業者に任せているため、
必要なタイミングで経営判断に必要なデータが手に入らず、
こまめな経営判断が難しくなるケースがあります。
特に、月次決算の報告が遅れたり、リアルタイムでの数字確認ができなかったりすると、
ビジネスチャンスを逃してしまうリスクもあります。
契約前に、レポート提出のタイミングや頻度、
データ共有の方法について明確に取り決めておきましょう。
クラウド会計ソフトを活用し、リアルタイムでデータを確認できる環境を整えることも有効です。
また、定期的なミーティングを設定し、経営状況について報告を受ける機会を確保することで、
タイムリーな経営判断が可能になります。

経理代行を利用する場合は、自社の経理スタッフから業者の担当者へ
業務内容を引き継ぐ必要があります。
しかし、引き継ぎ作業に慣れていない経理スタッフにとっては、
意図を正確に伝えることは難しいものです。
「これくらいは言わなくても分かるだろう」という思い込みから、
重要な情報が伝わらないこともあります。
また、引き継がれる側(代行業者)が受け身であることもめずらしくなく、
引き継ぎ後に多くの抜け漏れが発覚して混乱が生じるといったケースはよく見受けられます。
結果として、業務が滞ったり、ミスが頻発したりして、かえって手間が増えてしまうこともあります。
経理代行業者を選ぶ際は、引き継ぎをきちんとサポートしてくれるかどうか、
見極めてから契約することが重要です。
具体的には、引き継ぎ計画を一緒に作成してくれる業者や、
チェックリストを用いて漏れなく確認してくれる業者を選びましょう。
また、業務フローや特殊なルール、過去のトラブル事例などを文書化しておくことで、
口頭での説明だけに頼らない引き継ぎが可能になります。
引き継ぎ期間中は、自社の担当者と代行業者の担当者が並走する期間を設け、
実際の業務を通じて理解を深めてもらうことも効果的です。
失敗事例の一方で、経理代行をうまく活用して大きな成果を上げている企業もたくさんあります。
ここでは、経理代行導入によって得られる代表的な3つのメリットと、
それがどのようにビジネスの成功につながるのかを解説します。

経理代行を適切に活用することで、多くの企業が業務効率化やコスト削減、
そして経営の質向上を実現しています。
経理担当者を自社で雇用する場合、給与だけでなく、
社会保険料、福利厚生費、採用・教育コストなどの固定費が発生します。
また、退職リスクや産休・育休への対応など、人材管理の負担も無視できません。
経理代行を活用することで、これらの固定費を「業務量に応じた変動費」に変えることができます。
特に、記帳や給与計算などの定型業務をアウトソーシングし、
経営判断に必要なコア業務のみを社内に残すことで、
トータルコストを圧縮できるケースが多くあります。
また、繁忙期・閑散期に合わせて依頼量を調整できるため、無駄なコストを抑えることが可能です。
経理業務は会社にとって不可欠ですが、それ自体が直接利益を生み出すわけではありません。
特に、経営者や営業担当者が経理業務を兼務している場合、
本来注力すべき「売上を作る活動」がおろそかになりがちです。
経理代行を導入し、日常の記帳や請求書発行などの業務を手放すことで、
社内のリソースを営業活動、商品開発、顧客対応などの「コア業務」に集中させることができます。
結果として、営業活動の時間が増えて売上が向上したり、迅速な経営判断が可能になったりと、
企業の成長スピードを加速させる効果が期待できます。
経理担当者が一人しかいない「ひとり経理」の体制では、
その担当者が急に退職したり休職したりすると、
経理業務が完全にストップしてしまうリスク(属人化リスク)があります。
また、専門知識不足による税務処理のミスや、不正の温床になるリスクも潜んでいます。
経理代行(特に税理士事務所が母体のもの)を利用することで、
経理のプロフェッショナルによる正確な処理とチェック体制を利用できます。
これにより、担当者の不在による業務停止リスクを回避できるだけでなく、
法改正への対応や適切な節税対策など、
業務品質の向上とコンプライアンス強化を同時に実現できます。

経理代行の依頼先として有力なのが「税理士事務所」です。
一般的な代行業者と比較して、税理士事務所に依頼することには
どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

一般的に、経理業務のアウトソーシングは、
「税理士事務」や「経理業務外注業者」といったところに依頼できます。
また、経理業務の経験がある人材とのマッチングがうまくいけば、
人材派遣を利用するのも良いでしょう。
それぞれにメリットやデメリット、得手不得手が異なりますので、
どういった業務をどれだけの期間だけ依頼したいのか、
そうした部分を考慮して依頼先を決めてください。

経理業務のアウトソーシングを税理士事務所に依頼する最大のメリットは
「税務申告に必要な業務を依頼できる」という点です。
企業はビジネスで得た利益について申告し、法人税などの税金を納める義務があります。
そのためには税務申告に必要な書類の作成なども必要であり、
ビジネスの形態などの条件にもよりますが、複雑な作業が必要になるケースも少なくありません。
この税務申告の代行業務については、税理士にのみ国から対応が許可されているため、
経理業務外注業者に依頼することができません。
税務申告に関わる業務のアウトソーシングは、税理委事務所でないと請け負うことができず、
一般業者に依頼する場合はそのうえで税理士に依頼する必要があるため二度手間になります。
経理代行サービスは、正しく活用すれば、コスト削減、業務効率化、
そして経営の質向上に大きく貢献する強力なツールとなります。
しかし、業者選びや引継ぎを間違えると、期待した効果が得られないばかりか、
トラブルの原因にもなりかねません。
本記事で解説したポイントを参考に、
自社の課題や目的に合った最適なパートナーを見つけてください。
阪神経理・労務アウトソーシングオフィスでは、
貴社の状況に合わせた柔軟なプランをご提案いたします。
まずは一度、お気軽にご相談ください。
これだけは知っておいてほしい!
バックオフィス業務の改善に役立つ
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