2025/06/23
経理の見える化!業務改善のステップ
コラム
経理業務は、企業経営の基盤となる重要な業務です。
しかし、経理業務の全体像や具体的な数字をきちんと把握せずに処理を進めてしまう企業も少なくありません。経理代行サービスを利用していても、自社内で経理業務の流れを把握していないと、経営判断や資金管理に支障が出ることがあります。
今回は、税理士事務所の立場から、経理業務を見える化し、業務を改善するためのステップをご紹介します。
経理業務が不明瞭なままでいると、さまざまな問題が生じる可能性があります。例えば、
これらの問題を解消するためには、経理業務の流れや役割分担を明確にし、数字をしっかり把握することが不可欠です。
経理業務を見える化し、改善につなげるには、以下の3つのステップが効果的です。
① 業務フローの棚卸しと整理
まずは、現在の経理業務の全体像を洗い出してみましょう。請求書の発行や入金確認、領収書の管理など、日々行っている業務をすべて書き出し、誰がどの業務を担当しているかを整理します。経理代行サービスを利用している場合は、どの範囲を外部に依頼しているかも把握しておくことが大切です。
この整理作業によって、業務のムダや重複が見え、改善点を見つけることができます。また、経理代行サービスとの役割分担を明確にすることで、効率的な運用につなげることができます。
② 記帳ルールの明確化
経理業務の正確性を高めるためには、仕訳や記帳のルールを明確にすることが重要です。具体的には、
などを社内ルールとして文書化します。経理代行サービスに依頼している場合でも、こうしたルールを共有しておくことで、業務の円滑化が期待できます。
③ 定期的な数字の確認と振り返り
業務フローやルールを整備したら、数字の確認を習慣化することが重要です。例えば、
などの手段を取り入れましょう。こうした振り返りによって、数字の動きを把握し、経営課題の早期発見が可能になります。
経理代行サービスは、業務の負担を軽減し、経理業務の正確性を高める大きな力になります。ただし、単に丸投げするだけでは、経理業務の見える化は進みません。経理代行サービスを「パートナー」として位置づけ、自社の経理業務と積極的に連携する姿勢が大切です。
こうしたコミュニケーションを通じて、経理業務の見える化が進み、経理代行サービスの活用効果が高まります。
経理業務の見える化が実現すると、数字の正確性が担保され、経営に対する安心感が高まります。月次の数字をタイムリーに把握することで、資金繰りの不安を解消し、利益率の向上に向けたアクションを起こすことができます。
また、経理代行サービスを有効に活用できるようになるため、社内の負担を減らしつつ、数字をもとにした経営改善に取り組む土台が整います。経理業務の見える化は、会社全体の成長と安定を支える大切なステップです。
経理業務は、会社の経営を支える重要な基盤です。経理代行サービスを利用していても、業務フローや数字の把握が曖昧なままでは、経営の安定や成長は望めません。経理業務を見える化し、正確な数字に基づく経営判断を行うことが、企業の持続的な成長につながります。
経理業務の見える化は、業務フローの整理、社内ルールの明確化、そして数字の振り返りを習慣にすることから始まります。経理代行サービスを「パートナー」として活用しながら、会社の数字をしっかり把握する体制を整えましょう。それが、経営の安心感と将来の成長への第一歩です。
K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
これだけは知っておいてほしい!
バックオフィス業務の改善に役立つ
ノウハウ・テクニック情報集結! ・・・・・
日々、多くの会社様より経理・労務を中心としたバックオフィス業務のご相談をいただいております。
こうした経験をもとに、バックオフィス業務の改善に役立てていける
ような情報を発信してまいります!