2024/09/30
会計業務を内製化するメリット・デメリット
コラム
最近よく耳にする「代行」、文字どおり誰かに代わって業務を遂行することですが、専門職として社員が従事する経理の分野でも利用されるようになりました。
話題の「経理代行」と「記帳代行」には、どのように違いがあり利用することでどんなメリットがあるのかお教えします。
直接的な売上に貢献しない経理は、誰でも出来る仕事だと思われがちですが、業種や規模に関わらず本業を支える要として大変重要な専門職になります。
小規模経営の会社などでは、永年同じ社員に経理を任せてしまったり、社長や家族がお金を管理している事も少なくありません。
急病、介護などやむを得ない事情によって退職してしまうと、即戦力になる社員を雇う事も簡単ではなく、社長の兼務では営業活動が疎かになり負担は増すばかりです。そんな時に経理の一部だけでも賄ってくれればと、アウトソーシングを視野に入れるようになるのです。
「経理代行」「記帳代行」は、経理のプロが希望されるサービスを安価に提供することから、目覚ましい成長をみせている代行サービスです。
仕事量に波のある経理は、決算期や繁忙期には大幅に仕事は増大化し、社員への負担は「忙しいのに捗らない悪循環」を生み出します。
繁忙期の調整役に「代行」を利用することで、社員の健康管理とスムーズな仕事の流れを確保できるのです。
日々の取引で発生する経費や売上などお金の出入を帳簿に記録することを「記帳」と言い、税金を正しく申告する為には欠かせない仕事です。
最近では、パソコンを使って会計ソフトに入力することを言います。
この帳簿への煩雑な入力業務をアウトソーシング会社が変わって「記帳」することを「記帳代行」と言います。
会社は年に一度の決算報告を行えば良いことになっていますが、多くの会社が月次決算を行います。これは、年に一度では経営状況の把握が難しいことや、月次決算を行うことで間違いの修正や方向転換などがしやすい利点があります。
「記帳代行」を利用すれば、現金出納帳、預金出納帳、売掛金・買掛金管理、試算表作成に総勘定元帳をまとめ上げることで、月次決算を効率的に行うことができます。
会計ソフトを利用して日々の仕訳入力を行えば、試算表や総勘定元帳、損益計算書、貸借対照表も自動で反映されます。
「記帳代行」の利用は、社内で煩雑化していた月次決算の時間を短縮し、正確な経営状況の把握に貢献することになるのです。
会計ソフトへの入力ができることと、正しく入力できることは異なります。
代行を利用することで第三者の目があることになり、不利益になる計上や違法と知らずに計上してしまったと言うミスを予防することができます。
「経理」はお金のプロと言われますが、入手した情報を識別、選別、測定して、伝達するその過程、お金に関する処理を含めたすべての処理業務を指しています。
売上請求・入金管理、支払管理、給与計算などの業務に「記帳代行」業務を加えたすべての仕事が「経理代行」の業務になります。これらの業務をアウトソーシング会社が代わりに行うのです。
簡単にいえば「記帳代行」は「経理代行」の一部です。
お金を管理する経理の小さなミスは、大きな損害を会社に与える場合があります。ミスが許されないのが経理業務であり、正確さ、判断力、分析力に加えて正しい情報の収集力も必要になります。
経理がしっかりとした能力を発揮できているかどうかは会社の将来に大きく影響します。「記帳代行」と「経理代行」のどちらを選べばよいかは、経理業務のどの部分をアウトソースすれば社内がスムーズに機能するかによります。
毎日の入力作業で他に支障が出ている場合は、「記帳代行」を利用すれば改善されます。毎月発生する給料計算や月次業務に困っている場合は、丸投げも含めて「経理代行」の利用をおすすめします。
かかる費用面でも違いがあります。
「記帳代行」は「経理代行」よりも仕事の範囲が狭いことから低料金で利用することができます。
例えば、毎月の仕訳数に応じて料金が決められることが多く、一般的に300仕訳までであれば3万円程を考えればよいでしょう。
一方、「経理代行」は「記帳代行」に給料計算や月次業務、請求書発行などを含めて月5万円以上となり、税理士法人が「経理代行」を提供している場合が多いので、確定申告や毎月の税務顧問業務等を含めた丸投げの契約になると15万円ほどになります。
「経理代行」サービスにはオプション業務もありますから、必要とするサービス内容を事前によく確認するようにしましょう。
いかがでしたか?
経理に不安や悩みを抱えている経営者のみなさん、「経理代行」「記帳代行」を利用することで解決することができますよ。
経理の心配事、人材不足を見直してみませんか?
経理がしっかりと守っていてくれる安心感は、経営と成長の大きな力となってくれます。
K&P税理士法人
宮谷 祐史
経理業務改善、経理体制構築、経営計画・資金繰りサポート
某メガバンクで法人営業等を経験した後、某食品製造会社に転身。原材料の発注・在庫管理業務に従事した後、生産事業部にて生産ラインの効率化に貢献。2019年にK&P税理士法人に入社。クラウド・ITツールを使った業務の効率化の提案に定評があり、また、銀行折衝や、経営計画・資金繰り等の銀行提出資料作成のサポートも得意としている。マネーフォワード クラウド会計・クラウド給与 スペシャリスト認定。
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