2024/12/09
試算表を早期に作成すべき3つの理由
コラム
経営者は月次の試算表などを判断材料として、経営計画を立案し遂行します。そのため、会社の数字を早く知りたいと思うのは当然でしょう。
そのためには経理効率化が必要になります。いち早くクラウド会計ソフトなどを取り入れて、経理効率化を図っている企業経営者は、リアルタイムで数字を見て経営判断をしています。
その経理効率化とは具体的にはどうすればよいのか?この記事では効率化に役立つ考え方や具体的な方法、サービスなどを紹介します。
これまでの経理業務は、伝票起票や月次の試算表の作成、決算・申告等が中心業務でした。しかしこれは簿記の知識をしっかりと習得して、その会社ならではの処理に精通した処理をするという、プロフェッショナルのような存在でした。
しかし、現代の経営者は数字に基づいたスピーディーな経営判断を迫られています。
そのため経理部門もその要請に応えるため、経理効率化は避けて通れないものとなっています。「これまではこう処理してきたから」「そういう決まりだから」としてきたものを改める必要性は時代の流れなのです。
経理業務は機密事項などの繊細な情報を扱う部署でありながら、正確でスピーディーな処理を求められます。どこまで正確性が問われるかというと、一円の狂いも許されません。
そのため、緊張感のために仕事のスピードが落ちたり、ミスの原因にもなりえます。
ここでのコツを3つお伝えします。
①経理業務のキャッシュレス化
②クラウド会計ソフトの導入
③社員の負担軽減
1つ目は、経理業務のキャッシュレス化を推進しましょう。例えば小口現金の精算後に、証憑書類として領収書を順番に貼っていきますが、月次決算の時などは忙しさのあまり、証憑の綴りが後回しになる傾向があります。
これを改善するために小口現金の精算はすべて振込にする、法人用のクレジットカードで経費精算をするなどの対策が考えられます。これによって証憑処理の時間を捻出したり、精算を週ごとにすることで週単位に封筒でまとめておき、月中のあまり忙しくない時期にまとめて証憑を綴るという方法もあります。
2つ目はクラウド会計ソフトの導入です。まだ、導入していない企業は、顧問税理士などと相談して高機能なクラウド会計ソフトを使用すべきです。それがコスト的に難しいときは低価格で使用できる、クラウド会計ソフトがあります。
クラウド会計ソフトは通常の会計ソフトと同じ使い方のほかに、上記の法人用クレジットカードから情報を引き出して自動的に仕訳から総勘定元帳まで作成してくれます。電話やWebでのサポートも充実しており、自社の求める範囲の料金で求めるサービスを受けることができます。
そして最後は社員の負担軽減です。単純に人数を増やすという選択肢もあります。一人経理は、その人にしか分からない属人的な仕事になる傾向があります。二人以上にすることで属人化を防ぐとともに担当業務を割り振ることでより作業効率も上がり、ミスもしにくい状況になります。 一人経理の場合、もし退職となれば、経理が分かる社員がいなくなりますので、リスク管理の面からもお勧めします。
経理効率化に役立つ特効薬は、経理代行会社や、資格を持ったフリーランスに経理業務をアウトソーシングすることです。経理代行会社は、どの業務をどれくらい代行してもらうかで料金に差が出ますので無理のない範囲で依頼しましょう。
そして最近はクラウドソーシングが当たり前になってきており、経理経験者や、簿記一級などを持ったフリーランスに、クラウド会計ソフトを使って経理業務をアウトソーシングする会社も増えています。
自宅に書類を送るか、週一回などのペースで来社してもらい、書類を預けた後はフリーランスが自宅やオフィスで会計処理をします。フリーランスの中でも有資格者や経験者は、プライドを持って仕事を進めてくれます。クラウドワークスやランサーズという仲介サイトを通して人材を募るのも、新しい経理の在り方でしょう。
時代の流れとして経営の判断のスピードアップが求められ、経理のスピードアップのためには、経理の効率化が必要であることをお話ししました。経理の効率化をするためには、経理フローの見直し、クラウド会計の導入による作業の省力化、人員増員によるリスク回避と業務分担によるスピードアップを図ることができます。
フリーランスなどにアウトソーシングする場合には、経理業務だけあって機密情報を扱うことを社外に委託するわけですが、契約の中で必ず秘密保持契約を結ぶことで課題は解決します。
どのような方法をとるにしても経理効率化は避けられません。経営者に正確な情報をスピーディーに提供できる方法の提案として参考になれば幸いです。
社内に経理に関する相談者がいない場合には、無料相談も受け付けておりますので、まずはお気軽に弊社までご相談ください。
平野 樹里
クラウドツール導入支援、労務サポート
一般企業で人事・経理システムの開発等に従事した後、2010年に香川会計事務所(現:K&P税理士法人)に入社。K&Pグループの給与計算、請求書発行、システム設定などの総務業務全般を担当しながら、クラウドツールの導入を推進し、グループ内の業務効率改善に大きく貢献。特に、マネーフォワードのクラウドシリーズ(請求書、経費、給与、勤怠)の導入支援を得意としている。
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