2025/07/28
【紙からデジタルへの移行】クラウド導入による変化…
コラム
多くの企業では、経理業務をはじめとする管理部門の業務が紙ベースで運用されてきました。請求書や領収書は印刷して保管、振込用紙は出力して承認印をもらい、帳簿も紙で管理する。こうした紙文化は長らく続いてきましたが、効率面やリスク管理の観点から、見直しの動きが加速しています。
たとえば、紙の資料を探すために時間を費やす、ファイル紛失によるトラブル、在宅勤務時に必要な書類へアクセスできないといった課題が頻発しています。属人化が進み、業務がブラックボックス化しているケースも少なくありません。企業が安定的かつ柔軟に成長していくためには、これらの「紙に依存した業務構造」からの脱却が求められています。
さらに、国としてもDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、企業のデジタル化を後押しする制度や補助金も整備されつつあります。経済産業省が提唱する「デジタルガバナンス・コード」や、電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の導入など、国全体で“紙からデジタルへ”の流れが本格化しています。これらの変化をチャンスと捉え、自社の経理体制を見直す企業が増えているのです。
このような課題に対し、多くの企業が導入しているのが、クラウド型会計ソフトや経理代行サービスの活用です。
クラウド導入の第一歩は、請求書や領収書など紙の資料をデジタル化すること。PDFやスマホスキャンを使って資料をクラウドに保存し、経理代行の担当者や顧問税理士とオンラインで共有する仕組みを整えることで、紙を介さない情報のやり取りが可能になります。
クラウド会計ソフトは銀行やクレジットカードと連携し、自動で明細を取得・仕訳候補として表示してくれるため、手入力のミスや工数を大幅に削減。帳簿はリアルタイムで更新され、数字の見える化が進み、経営判断にもスピードが出ます。
導入からすることにより、
つまり、クラウド導入は単なる“システムの入れ替え”ではなく、働き方の構造そのものを見直すきっかけにもなります。
クラウド導入を成功させるためには、「何をデジタルにして」「何を人の判断に残すか」の切り分けが重要です。すべてをクラウドにすれば良いわけではなく、経理代行などの外部パートナーと連携して、最適な役割分担を行うことが成果を最大化するカギとなります。
経理代行に任せる業務は、記帳や振込データ作成、請求書処理などの定型業務が中心。一方、支払の最終承認や資金繰り判断といった経営に直結する部分は社内で担う。そうすることで、クラウドと人の力が相互に助け合い、強い業務体制が築かれます。
また、クラウド導入は“導入して終わり”ではなく、“運用の最適化”こそが本番です。日常的な使い方の見直し、フローの整理、社内の意識改革などを継続的に行うことが、定着と成果の鍵になります。
私たちは、クラウド経理導入から経理代行の設計・運用まで一貫してサポートしています。紙に頼らない働き方を目指したい方、クラウド経理に不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
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