2024/09/30
会計業務を内製化するメリット・デメリット
コラム
会社の経理業務について考えるとき、「採用」と「外注」という選択肢があると思います。作業内容や作業量にもよりますが、単純な経理作業などであれば、月数万円から外注できるケースもあり、経理担当者を正社員として採用するよりはるかにコスパが良いケースもあるでしょう。
とはいえ、会社の経営情報を深く知り得る立場にある経理職はセキュリティや情報漏洩のリスクを危惧することも必要です。よって、すべての経理業務を外注することは現実的ではなく、専門的な業務や会社の経営情報に関する業務を担当する正社員を数人配置し、単純かつ大量なルーチン業務は外注するといった、「採用と外注の使い分け」をすることでコストダウンを図ることは非常に有用であると思います。では「採用」から「外注」に変えると実際いくらのコストが下がるのでしょうか?
採用は一般的に新卒採用と中途採用があります。新卒採用は社内で教育することにより会社の内情を理解できるような人材を育てていくことを目的としているのに対し、中途採用は退職した人間の補充やより高い専門知識や経験を求め、即戦力となる人材登用を目的として採用しています。
コストとしては新卒採用の方がはるかに安いですが、戦力として活躍するまでに数年を要するため、結果、育成にかかるコストも考えると決して安価ではないといえるでしょう。それに対し、中途採用は今、会社に必要としている能力を持った人間を即座に採用することができるため、育成の時間や費用を節約できるといえます。
しかし、その分、報酬は新卒より高額になることが多いです。会社規模や業務内容にもよりますが、経理職として採用された場合、年収は新卒であれば~400万円、中途であれば、500万円~といったところでしょう。
冒頭でも述べたように、外注というものは作業内容と作業量により、金額に幅があるといえるでしょう。単純かつ少量の作業であれば月数万円からで済むでしょうし、複雑かつ大量な業務となれば月数十万かかる場合もあります。
経理職を「採用」するか「外注」するか、どちらを選択すれば得なのかは一概には言えません。しかしながら、この二つには大きな違いがあります。「採用」は人件費というアンコントローラブルな“固定費”であるのに対して、「外注」は状況によりコントロールできる“変動費”とすることができる点です。
経理職というものは季節労働職であり、繁忙期にはかなりの労働力を必要としますが、閑散期になれば労働力はそれほど必要としません。忙しくない時期にも恒常的にかかってしまう“人件費”という固定費を「外注」という変動可能な形態にしておくことは非常にコストメリットがあると考えられます。
また、いったん経理職を採用してしまうと賞与や退職金等、作業の対価以外にも支払うコストが発生するため、その分、外注よりコストがかかる可能性があります。したがって、単純な経理作業程度であるならば、経理担当を新卒採用して年間400万円ほどかかるコストを年間数十万円に削減することも検討の余地があるといえるでしょう。
以上のことから、すべての経理作業を外注することは難しくても、外注できる業務を洗い出し、「採用と外注の使い分け」をすることで、年間で一人当たり数百万円かかるコストを数十万円に下げることは十分に可能であると考えられます。
会社規模や作業内容、そして情報リスクも十分に考慮して外注を上手に利用していくことは非常に有効といえるでしょう。
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K&P税理士法人
宮谷 祐史
経理業務改善、経理体制構築、経営計画・資金繰りサポート
某メガバンクで法人営業等を経験した後、某食品製造会社に転身。原材料の発注・在庫管理業務に従事した後、生産事業部にて生産ラインの効率化に貢献。2019年にK&P税理士法人に入社。クラウド・ITツールを使った業務の効率化の提案に定評があり、また、銀行折衝や、経営計画・資金繰り等の銀行提出資料作成のサポートも得意としている。マネーフォワード クラウド会計・クラウド給与 スペシャリスト認定。
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